たぬき探偵ジェリー｜静岡の謎解きゲーム

やぁ諸君！
台風はなくなったようだな。
台風に耐えるための傘を新調せずに済んでなによりだ！

しかし蒸し暑くてたまらないな。
紳士たるもの汗を流していては、カッコ悪いからな。

この季節は奴が出てくるな…。
奴とは、なんだと思うだろうか？
名を口に出すのも恐ろしいが、皆のために勇気を振り絞る。

奴とは…かえるだ…。あぁ、おぞましい。

中学のあの頃、クラスメイトが私にこう言った。
「おまえ、かえるみたいだな」と。
私は憤慨した。
しかし、当時内気だった私は思うように怒りを伝えられなかった。

なぜ私がかえるなんだ…
何の気なく言ったクラスメイトの言葉が脳裏にこびりつく。

奴の目つきが苦手なのだ。

いつかの今頃、田舎道で私は奴に遭遇した。
道の真中にいた。
奴は堂々とした面持ちで、ジロリと前を見据えている。

その目は問うているのだ。
「おまえは誰だ。おまえは何者だ。」と。

その問いに私は何も答えられない。
自分の小ささを思い知るのだ。
奴はこんなにも自信を持ってこの世に存在している。
なのに私は…！
と、悩ます存在なのだ。

それから、毎年この季節になったら
奴が現れるような道へは行かないようにしているので
奇跡的に奴には遭遇していない。

中学から数十年経った今、
もし奴に遭遇したら、私は胸をはって言えるだろうか？

「私は自称探偵ジェリーだ！！」と。